2025
( NEWoMan )
9.12
( TAKANAWA )
OPEN
( MOVIE )

2025.09.12 OPEN

2025.09.12 OPEN

2025.09.12 OPEN

2025.09.12 OPEN

NEW GATE. 未来の都市づくりが、動き出す。

150年以上むかし、

日本で初めて鉄道が走ったこの高輪の地に、

ルミネ史上最大規模のプロジェクト、

『ニュウマン高輪』が誕生。

ここで暮らす人々、地域、企業、

そして想いが交わり、

生まれていく、想像を超える体験。

単なる商業施設ではない、

誰もが心地よく、

思い思いに時を過ごせる場所を目指す、

かつてない“まちづくり” ──。

私たちは、100年先の未来を見据え、

挑戦し続けます。

高輪の地で紡がれてきた時間とともに、

受け継ぐのは、次の100年へと続くバトン。

新しいゲートが、いま開かれます。

都市の中の、新しい居場所。

ファッションにグルメ、ビューティーにカルチャーまで、

大人も子どもも、誰もが楽しく心地よく。

地上150mに広がるのは、植物・音・食事が楽しめる“都心の別荘”。

3棟3エリアに広がるニュウマン高輪で、心豊かな体験を。

ABOUT

都市の中の、新しい居場所。

ファッションにグルメ、

ビューティーにカルチャーまで、

大人も子どもも、誰もが楽しく心地よく。

地上150mに広がるのは、

植物・音・食事が楽しめる“都心の別荘”。

3棟3エリアに広がるニュウマン高輪で、

心豊かな体験を。

ABOUT
MAP
01
02
03
04
05
05
多様な出会いと、体験を 人々が集い、つながる、ひらかれた空間。

VIEW MORE

街に息づく、新しい価値 この街が生み出す、新しい暮らしの時間。

VIEW MORE

五感を満たすリアル体験 クラフトマンの挑戦による、新たな食体験。

VIEW MORE

普遍と上質のショッピング 永く愛される、モノとの出会い。

VIEW MORE

未来を紡ぐ、共創の場 社会と手を取り合い、新たな価値を育む場所。

VIEW MORE

EXPLORATION

100年先の未来につなぐ、私たちの挑戦。

PREV
NEXT

Keep Scrolling

THE LINKPILLAR 1 1F - 5F
South・North
誰もが自分らしく過ごせる場

衣食住・美・カルチャーに、サウナや書籍×アート&アソビなど、多様な価値観が交差する広大な空間。大人と子どもの融合空間やペットと過ごせる環境で、誰もが楽しく、心地よく。この街だからこそ実現できるライフバリューを提供し続けます。

PREV
NEXT
THE LINKPILLAR 1 NORTH 28F / 29F
LUFTBAUM
上空150mに広がる「都心の別荘」

世界でも類を見ない、本物の植物と音に包まれた空間が誕生。日本の四季を感じるパブリックガーデンに、オールデイダイニングやバーなど多彩なショップが並びます。開放的な高層からの眺望も堪能いただけます。

PREV
NEXT
THE LINKPILLAR 2 2F / 3F
MIMURE
100年先も続く都心のコミュニティビレッジ

世界に誇る日本の食文化を、妥協のないクオリティで体感する場。ビールやコーヒー、チョコレートなどのオープンファクトリーが併設。さまざまな人が地域や社会とつながり、多様性に満ちた未来へ、新たな価値を創造します。

2026年3月開業

PREV
NEXT
South 5F こもれびら、ペットフレンドリー
多様な出会いと、体験を
人々が集い、つながる、ひらかれた空間。

大人も子どもも自由に過ごせる「こもれびら」や、ペットフレンドリーなエリア&ショップなど、多様な人々が行き交う空間で、新たな交流が生まれます。

Discover more on Instagram

PREV
NEXT
South/North 1F 高輪リンクライン、
North 5F 高輪SAUNAS
街に息づく、新しい価値
この街が生み出す、新しい暮らしの時間。

「高輪リンクライン」が提案する多様な生活スタイルや、「高輪SAUNAS」のようなリトリート空間で、この高輪の地に新たな過ごし方を生み出します。

Discover more on Instagram

PREV
NEXT
North 28・29F LUFTBAUM
五感を満たすリアル体験
クラフトマンの挑戦による、新たな食体験。

ルミネ初の高層階エリア「LUFTBAUM」では、都心の絶景空間と共に植物や音、食体験が紡ぐ、五感を刺激する唯一無二の体験が待っています。

Discover more on Instagram

PREV
NEXT
ショッピング体験
普遍と上質のショッピング
永く愛される、モノとの出会い。

伝統あるブランドやクラフトマンシップが光るショップが並ぶ空間で、流行に左右されない上質なショッピング体験を届けます。

Discover more on Instagram

PREV
NEXT
MIMURE
未来を紡ぐ、共創の場
社会と手を取り合い、新たな価値を育む場所。

日本の食文化が息づく、都心のコミュニティビレッジ「MIMURE」や、衣料品循環の取り組みを通じて、地域や社会とのつながりを深めます。

Discover more on Instagram

PREV
NEXT
“捨てる服と糸が紡ぐ
新たな衣料品循環”
THE GOODLAND MARKET
(左から)

地域で捨てるはずだった衣類を集め、和紙糸と混ぜ合わせて新しい服としてリサイクルする。ニュウマン高輪で始まる「衣料品循環」の最終工程を担うのがTHE GOODLAND MARKETです。

セレクトショップならではの「共創力」

THE GOODLAND MARKETは「いまのそれではなく、まだ見ぬそれを共創するマーケット」をコンセプトに掲げるセレクトショップです。サステナビリティを軸に、環境や生き物に配慮した商品を雑貨からアパレルまで幅広く取り扱っています。

「ブランドのコンセプトにも『共創』という言葉があるように、セレクトショップであることこそ、私たちのある種の強みだと感じています」と話すのはTHE GOODLAND MARKETの下間祥子さん。

「自分たちだけじゃできないことも、他のブランドさんの魅力や強みを掛け合わせることで実現できる。たとえば『Syncs.Earth』さんというブランドは100%天然素材の繊維を使うことで、完全に土に還すことができる服づくりを行っています。私たちはそういった技術や仕組みを持っていませんが、一緒にアイテム開発を行うことで、柔軟な考え方や仕組みを世の中へ少しずつ広めていくことができるんです」。

紙の特性を活かした、
長く愛される循環型アイテム

ニュウマン高輪での衣料品循環では自社ブランド「cwtch(クチュ)」からリリースされます。

キュアグループが開発する糸に、粉砕した衣類を混ぜ込む。糸が持つ抗菌・防臭効果や独特な肌触りの良さを活かした、厚みのあるリブ編みのカットソーにし、イージーパンツ、Uネックトップス&アームカバーセット、ボレロ、ワンピースの4種のアイテムが生まれました。

「特に生地の開発にはこだわって進めました」と振り返るのは、主に商品開発を担当したTHE GOODLAND MARKETの小桜彩絵さん。「キュアグループさんとの試行錯誤を重ね、常に着用しやすいドライタッチでありながら、高級感のある手触りを持つ素材感に仕上がったと思います」。

「また、アイテムはトレンドや年齢に左右されないように、“変化”を楽しめるものを意識しました。たとえばボレロは結び紐の使い方を変えることでベストのようにも着られるんです。お客さま自身が新しい着こなしを発見しながら、末永く愛用いただけるようなデザインとしました」。

高輪から生まれる一歩が、衣類の未来を変える

昨今多く耳にするようになったと感じる環境課題への取り組み。社会へと広く普及したようにも感じますが、実情は違うと下間さんは明かします。

「ファッション業界の中においても、サステナビリティという言葉や、環境へ配慮したものづくりが社会に広く浸透しているとは言えません。私たちのようなブランド、あるいは消費者となるお客さまにおいても、こういった課題に取り組む人はまだまだ少数派という感覚があります」。

「ファッション業界は複雑なサプライチェーンの中で多くの企業や人が関わることで成り立っています。不透明になりがちな部分も多く、いきなり100点の取り組みを実践するのは簡単ではありません。1社でも、1人でも、少しずつ取り組んでいく姿勢が業界を変えていくと考えています」と下間さんは続けます。

ニュウマン高輪という巨大な共同体の中で、THE GOODLAND MARKETは循環型の未来を具現化する役割を担います。「高輪での取り組みが一人でも多くの人の関心と、新しい挑戦につながることを期待しています。多様な人や会社が集まり、それぞれの強みが掛け合わさることで、この街に根ざした循環の仕組みを生み出していきたいと考えています」と下間さんは締めくくります。

地域で着られた洋服が新たなスタイルと機能、そして循環性を携えて再び地域の手に渡る——この有機的な活動を通じて、「衣類は捨てるものではなくリサイクルするもの」「衣類は土に還すもの」という意識が社会へと広がっていきます。

PREV
NEXT
“「衣類は土に還るもの」という
意識を日本全国に運ぶ。”
株式会社キュアグループ

捨てるはずだった服を粉砕し、糸を作り、新しい服として生まれ変わらせる。

ニュウマン高輪に生まれた新しい循環。この中心を担うのが、独自の繊維を作るキュアグループ社です。

畑の土を豊かにする糸

2007年に創業された母体のキュアテックス社が、100%和紙で作る和紙糸「キュアテックスヤーン」を開発、キュアグループ社はこれを用いたさまざまな衣料品などの製造、販売やこれらを含む多くの循環型事業に取り組む企業です。

研究を重ねた末生み出された最上級の和紙を、カット、複数回の撚糸、天日干し、巻き上げといった工程を経て、和紙糸へ仕上げます。

「肌触りが良く、強い糸を作ろう」という目的で生まれたこの和紙糸は、期せずして非常に高い消臭効果、防菌効果を持つ繊維へと仕上がりました。さらに京都府立大学の細矢憲教授との研究を通じて、土に埋めると生分解される特徴を持つことが明らかになります。生分解の過程で土中の微生物の活性値や多様性が高まり、豊かな土壌を育むこともわかりました。

この特徴を活かして、自社で所有する畑で栄養価の高い野菜を栽培。ここで採れた野菜を使ったヴィーガン、ハラルフードを提供する「キュアフーズ」事業も展開します。

新たな価値とともに生まれ変わる衣類

ニュウマン高輪における衣服の“循環”は、この「キュアテックスヤーン」が軸となります。

地域の学校から出た不要な衣料品や、JRで使用された検修服など、持ち込まれた洋服を素材ごとに分類。コットン100%の衣類を粉砕し、「キュアテックスヤーン」で使われる和紙へ20%ほど混ぜ込み、和紙糸を作ります。この和紙糸が新たな衣服へと生まれ変わり、お客さまの元へ届きます。

地域で着られた洋服が、新たなスタイルと、新たな機能、そして新たな循環性を携えて再び地域の手に渡る。この有機的な運動こそ、ニュウマン高輪が願う循環の一つのかたちと言えそうです。

「街」という共同体だからこそできること

同社の代表を務める藤代政己さんは、さまざまな循環型事業に取り組む背景に、少年時代の風景があったと明かしました。「私の子どもの頃は光化学スモッグをはじめとする公害問題が残っていました。小学校の卒業文集では“政治家になって公害問題に取り組む”と書いていたほどです。でも、その頃から、環境や周囲の人への思いやりを持つことに関心があったのだと思います」。

こうした思いで事業に取り組んできたキュアグループ社が、ニュウマン高輪に参加した理由を藤代さんは語ります。

「循環型の街を作る、その姿勢に強く共感しました。私たちが社内で取り組んでいる事業の規模は非常に小さなものです。ニュウマン高輪では、街全体という巨大なスケール感で私たちのビジョンに近いことをやろうとしている。私たちだけでは、どんな形であれ小さなことしかできません。けれど、これだけの規模の中で自分たちの技術を活かせれば、私たちが目指す循環を大きくしていけるのです」。

どんな取り組みであっても、広く、そして長く継続することに意味がある。言うまでもなく、環境課題に取り組むとなればなおさらです。

「取り組みが拡大していくことで、一つの大きな事例となる。そうすることで、“衣類は捨てるものではなくて、リサイクルするもの”あるいは、“衣類は土に還すもの”という意識が日本全体に運ばれていくことを期待したいです。私たちも、そのための役割を果たしたいと思います」。

藤代さんが語るように「街」という巨大な共同体だからこそ達成できることがあるはず。そして取り組みが多くの人へ広がっていく。これこそが私たちにとって、何よりの価値となるはずです。

PREV
NEXT
“石と和紙で作る、
高輪の歴史と未来をつなぐサインデザイン”
centre Inc.

ニュウマン高輪の館内サインを手がけたのは、centre Inc.(センター インク)です。

同社は美術館や建築分野でのグラフィックデザインを中心に、作品集からサイン計画まで幅広く手がけるデザインスタジオです。「クライアントや対象についてよく知ることから始める。一時的な流行りではなく、その地域の人たちや新しく関わる人たちにとって、できるだけ長く寄与できるデザインでありたい」と代表の田中義久さんは話します。

今回のプロジェクトでは、ニュウマン高輪の建設地から発見された築堤の石を活用し、現地での選石から和紙制作まで一貫して行う独自のアプローチでサインシステムを構築しました。

築堤の石に発見する歴史と技術

プロジェクトの出発点は、建設地から発見された築堤の石でした。「その石自体がどこから運ばれてきて、どうしてそこで使われるようになったかをリサーチしました」と田中さん。調査の結果、石は伊豆方面から船で運ばれた安山岩をベースとしていることがわかり、また歴史を追体験するため、実際の石が生産された地域まで足を運びました。

石を使ったトイレのピクトグラムの制作では、若いスタッフが「4ヶ月間ぐらい石を割り続けて」必要な形を作り出したといいます。「ピクトグラムの輪郭を狙って削り出すのではなく、当時と同じように、ただひたすら割って、その中からいい形のものを選び取った」と田中さんは製作過程を振り返ります。

こうした手法を取り、高輪の文脈を得ることで、このサインは単なる案内表示を超え、高輪の新しい歴史を刻むにふさわしいものとなりました。

時代に即した和紙という素材

もう一つの特徴的な素材が、築堤の石粉を混入させたオリジナルの和紙です。「石を一度粉状にして、和紙に混入させた用紙を開発しました」と田中さんは説明します。

和紙を選んだ理由について、田中さんは素材の特性に注目します。「和紙は主に楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)という3種類の植物、言ってしまえば強い雑草が素材で、日本の自然の循環の中で存在している」。化学薬品を多用する洋紙と異なり、「水と植物だけでできる」和紙は今の時代に適している素材だといいます。

さらに和紙は「小麦粉みたいな存在」としてさまざまな素材を吸収できるため、石粉との相性も良く、その特徴を紙に生かしてくれるという実用的な利点もありました。

人に合わせて柔軟に変化するサイン

プロジェクトを通じて田中さんが重視したのは、「地域にずっと住んできた方々にまず愛されてほしい」という思いです。「新しくそこに住まう方々も楽しんでもらいながら、その地域自体が活性化されていく。誰かを排除したりを特権的に扱うということではなく、すべての関わる人たちが住みよい形で存在していってほしい」と期待を語ります。

また田中さんはそんな地域の住人や訪れる人に向けて「ぜひ散歩してみてほしい」と話します。「施設内だけでなく屋外にもいくつかのサインをつくっています。高輪リンクラインという地域の歴史を垣間見ることのできる場所であったり、またサインに使用した築堤が掘り起こされたままの状態で公開される場所も予定されているようです。ぜひ色々な場所を歩いてみてください」。

同社でデザインを担当した安永楓哉さんも「建物の中というよりは、街の一角を訪れるような体験となるサインにできたと思います。買い物をしたり、食事をしたりする一つの“街”として利用してもらえると嬉しい」と期待を込めます。

築堤の石と和紙で作られたこのサインシステムは、100年続く街を目指すニュウマン高輪において、高輪の歴史を未来へとつなぐ重要な役割を担います。

PREV
NEXT
“「予期せぬ出会い」が生まれる
公共的な商業空間”
sinato

「商業施設というより、新しい街並みを作るつもりで設計しました」。そう語るのはニュウマン高輪South・North 1~5Fの施設全体設計を手掛けた設計事務所sinatoの大野力さんです。「南北に細く長い敷地なので全フロアを歩こうとすると30分以上かかる。これをどのように『散策』へと変えるか考えました」と振り返りながら、従来重視されてきた“効率的に稼ぐ商業施設”ではない姿を目指したと話します。

5つのフロアと8つの入り江

大野さんが設計思想として掲げたのが「COVES(入り江)」というコンセプトです。かつて海だった高輪の歴史を踏まえ、5層の“新しい大地”(各フロア)に8つの「入り江」(吹き抜け空間)を配置しました。また「京都の街のような直交グリッドではなく、パリの街のような抑揚のあるシークエンスを意識しました。広場があり、道幅が変化し、道の先に予期せぬ出会いがある。商業施設の中に『街歩きの楽しさ』を再現したかった」と語ります。

それぞれの入り江には独自のキャラクターが与えられています。たとえば1Fから4Fまで一筆書きの照明ラインがエスカレーターに沿って設置され、自然な誘導サインとして機能するなど、場所ごとに独自の機能や個性が光るデザインとなりました。

「吹き抜けは上下のフロアのつながりを意識する空間です。商業施設は基本的に高層階への動員が難しい。『上に行ってみようかな』と思えるような作りにしたかったんです」と大野さんは説明します。

歩く楽しさを生む空間構造

大野さんは、従来の商業施設が共用空間を最小限に抑え、いかに効率よくショップ面積を確保するかがセオリーとされていることに独自の形でアプローチしました。

「ショップは各々個別の世界観を作り込むため、その集合はある意味では対立的になってしまうこともありますが、ニュウマン高輪では、あえてそこに共用の居場所を多数配置することで、全体の風景として繋ぎ直したいと思いました」。

各フロアにもコンセプトを設定しています。1Fは海沿いのストリートに路面店が並ぶように店舗を配置。駅へとつながる2Fは、人工的な雰囲気のなかに、土や手仕事といった相反する要素を織り交ぜました。3Fは回遊性の低さを逆手に取った親密さを特徴とするフロアへ。4Fでは、巨大なルーフバルコニーのような空間を設け、インモールとアウトモールをミックス。5Fは眺望の良さを活かし、さらに外の空気を目一杯取り込む空間作りとしました。

新しい公共空間としての商業施設

大野さんが最終的に目指すのは、商業施設の枠を超えた「公共空間」としての機能。「買い物をしなくても、公園のようにフラッと訪れる場所として使ってほしい」と語ります。

「大きな複合施設には公共貢献が必要だと思います。現在の都市空間には、一人でぼーっとしたり、皆が休憩したり井戸端会議をするような居場所が不足している」と指摘。「そうした公共的機能を担い、地元の人が愛着を持ってくれることが、最終的には商業的な成功にもつながるのでは」と説明します。

また大野さんは、ショップ同士の関係性についても意識を向けた設計にしたとのこと。「せっかく多様なショップが集まっているので、各ショップのスタッフやお客さんが混ざり合うような状況を作りたい。そのために、ショップに対して壁の設置制限や高さ制限などのレギュレーションを設け、共用部を含めた一つの大きな売り場の中で、各々の営みや振る舞いが重なり繋がるような空間を目指した」と言及。

「街歩きの延長として、ふらふらとそのまま入ってきて、買い物のつもりじゃなかったけれど、通り抜ける途中でコーヒーを飲んでくれる。そんな自然な流れで人々に愛される場所にしたい」。商業施設という概念を超えた公共空間としてのあり方は、新たな文化を生み出していきます。

PREV
NEXT
“前例なき人と植物の共生空間
「LUFTBAUM」”
(左から)
箱根植木株式会社
FUGA TOKYO株式会社
GRANSCAPE Inc.
MYU PLANNING INC.

ニュウマン高輪の28F・29Fに広がる「LUFTBAUM(ルフトバウム)」では、通路にまで伸び伸びと育つ草木、大きな木々が生い茂る庭園、生き生きとした壁面緑化などを中心に、多種多様な植物がショップと共存しています。

「このプロジェクトは、ルミネさんからの『100年先を見据えた場づくり』というビジョンを受けて始まりました」と話すのはフロアプロデュースを担当したMYU PLANNING(以下MYU)の2人。ここに、室内植栽担当のFUGA TOKYO(以下FUGA)、庭園を担当するGRANSCAPE、搬入・施工の箱根植木の4社が集結し、これまでにない商業施設の植栽空間を実現しました。「人が良く、一流であり、植物の話になると目がキラキラと輝く方ばかりでした」とMYUの中村信浩さんは振り返ります。

植物が主役となる空間づくり

LUFTBAUMの最大の特徴は、植物を主役として位置づけた空間設計です。「普通の商業施設では、植栽は背景としての役割が多いのですが、今回は体験の大きなコンテンツとして作り上げていくことを重要視しました」とMYUの中村さんは説明します。

その象徴的な取り組みが、通路への植物の枝葉の飛び出しを許容したことです。「一般的にはまずやらないことですが、植物の持ち味を最大限活かすために、木が輝くなら思い切って飛び出させることを優先しました」とFUGAの仲村博之さんは語ります。「人の心を動かす空間づくりを第一に考えています。グリーンに興味のない人でも振り向いてもらえるように、記憶に残る場所にしたかったのです」。

庭園「翠の庭」では、日本の圧倒的な四季を表現するため、あえて落葉樹を多用しています。「春なら桜、秋なら紅葉を圧倒的に見せるために、同じ樹種を集中して配置しています」とGRANSCAPEの大石剛正さん。「冬には葉を落とした枝の美しさや、樹皮に付く水滴の輝きまで楽しんでいただけます。商業施設では珍しいですが、本来の植物の姿を大切にしました」。

チームを変えた沖縄での出会い

プロジェクトの転機となったのは、FUGAが沖縄の植木生産者の沖縄植物園を訪れた際に紹介されたホテルでの出来事でした。「見惚れるほど力強く、のびのびと育った木があり、『私たちが伝えたい植物の魅力はこれだ』と感じました。後日、皆さんにホテルまで来てもらい、その木を見ながら打ち合わせをして、チームの目指す場所が定まったのです」とFUGAの藤田良則さんは振り返ります。

そして、LUFTBAUMがここまでの空間に仕上がった背景をMYUの櫻田麻理衣さんはこう語ります。「ルミネさんから『やり切ってください』と言われたんです。自分たちとしてはちょっとやり過ぎかなと心配するような場面でも『もっとやっちゃってください』と言われ、ここまで言われたら私たちも奮起しないわけにいかないですよね」。

施工にも宿る挑戦

結果的に、施工面でも前例のない挑戦が実現しました。樹齢100年のチャボヒバを28Fまで搬入する際には、クレーンで吊り上げるという通常では許可されない方法を採用。「風が少しでも吹けば振られてしまい、ビルに当たってもおかしくない状況でしたが、天候にも恵まれ、一発で成功できました」と箱根植木の笠井真志さんは振り返り、「普通なら絶対にやらせてもらえない方法ですが、皆で知恵を絞ることで実現できた。改めて人の力の凄さを感じました」と同社の樋口開渡さんも続けます。

この挑戦の背景には、もちろん多くの植木の生産者の努力がある。GRANSCAPEの矢彦沢美奈さんも「長年大切に育ててきた植物がこのような場所で輝いているのを見れば、『自分たちの仕事にはこういう意味があるんだ』と生産者の方々もきっと希望を持ってくださるのではないかと思います」と話します。

人はいつの時代も植物と共生し、多くの実りや知恵を受け取りながら発展してきました。LUFTBAUMは、商業施設における人と植物との新しい関係を提示する、100年先を見据えた空間として誕生しました。

PREV
NEXT
“BGMの概念が変わる。
LUFTBAUMの
イマーシブサウンドシステム”
(左から)
株式会社 J-WAVE
株式会社ユニオンサウンドシステム

ニュウマン高輪の28F・29Fに広がる「LUFTBAUM」には、商業施設では例のないイマーシブサウンドシステムが導入され、かつてない音響体験を実現します。設計・施工を手掛けるのは、音楽ホールや商業施設の音響を専門とするユニオンサウンドシステムの町田智史さん。さらにこのサウンドシステムを活用した音楽企画を推進するのが、J-WAVEイベント事業部部長の渡邉岳史さんです。

ここでしか体験できない立体音響

イマーシブサウンドシステムは、空間に配置された多数のスピーカーを一体的に制御し、音の位置や立体感を自在にコントロールする技術です。

「全方位から包みこまれるような感覚や、立体感のある音響が特徴です。位置ごとの聴こえ方も“決められる”というイメージです。アーティストの意図や思いを、よりダイレクトに届けることが可能となり、この場所でしか体験できないものになるはずです」と町田さん。

会場のどこにいても音のバランスは崩れず、アーティストの世界観に没入できる。まさにここでしか味わえない音響空間が広がります。

「これだけの品質の音を流せる
商業施設は他にない」

これまでの一般的な商業施設のサウンドシステムは楽曲やそこに流れる「音」を楽しむように設計されておらず、あくまで空間を彩る一つの要素としての側面が強くあります。「従来の商業施設のBGMは、音響的な聞こえづらさや音質の悪さから『音を聞く体験』としての魅力はかなり弱いものだったと思います」と町田さん。

一方で、LUFTBAUMのサウンドシステムは、アーティストがスタジオで練り上げた作品の魅力を、余すところなく再現できるほどの緻密なコントロールが可能となります。「レストランスタッフの方など、毎日それを聞いて過ごすと、それがスタンダードになると思います。再び従来のサウンドシステムを聞くと、本来の音楽とは違うものを聞いていたんだな、という感覚になってもらえるんじゃないかな」と町田さんは期待を込めます。

この体験を通じて、多くの人に「アーティストが意図したものをちゃんと聞きたい」という意識が高まり、音響設備全体の向上につながっていくかもしれません。渡邉さんもこのサウンドシステムの可能性について「これだけの品質の音を流せる商業施設は他にない。『BGM』の概念を変える場所になるかもしれない」と語ります。

「新たな音楽体験」が生まれる可能性

そんな渡邉さんは企画面でこのシステムの魅力を発信。「多くの人にこのサウンドシステムの魅力を知っていただくために、さまざまな企画を考えています。初回はトラックメイカーのSTUTSさんを招き、この空間の特性を活かしたインプロビゼーション的なアプローチで、植物あふれる空間と音楽が交わる体験の場を実現します」。

またこのサウンドシステムはアーティストとの協働によって新たな音楽体験を創造できる可能性を秘めていると渡邉さんは話します。「アーティストって、面白いこと好きなんです。たとえばミュージシャンがアルバムを作ったときに、それぞれの場所で違う曲が流れたり、アーティストが解説するポッドキャスト番組を各所で聞けるとか。企業にはない柔軟性と好奇心でどんどん可能性を開いてくれるはず」と渡邉さん。さらに「もっと言えば街全体を巻き込んだライブイベントなんかを開く際の象徴のようなものになるのではないか」と、施設を超えた広がりにも期待を寄せます。

そんな未知の可能性を秘めたこのサウンドシステムについて、町田さんは「100年後にはそれが当たり前になっているような、“100年先の標準”を今作っているのかもしれません」と語ります。LUFTBAUMは、商業施設における音響体験の新たな基準を示す場所として、音楽と空間の関係性を根本から変えるかもしれません。

PREV
NEXT
“高輪の歴史と文化を抱く
サウンドスケープを作る。”
Soundscape Design Lab

ショッピングをするお客さまとショップスタッフのやり取り。ランチタイムの何気ない会話。それぞれのリズムで響く足音。ニュウマン高輪に広がる音の背景に、川のせせらぎや鳥の声、虫の音など豊かな自然を感じる「音の風景」が広がっていることに気づきます。

そんなニュウマン高輪のBGMを手掛けるのが、Soundscape Design Labを主宰する、作曲家・サウンドスケープデザイナーの斉藤尋己(さいとう ひろき)さんです。

人と物が行き来する場所

「サウンドスケープ」とは、風景を意味する「ランドスケープ」に「サウンド」を組み合わせた造語。1960年代末に、カナダの作曲家マリー・シェーファーが提唱した概念であり、文字通りその場所にある「音の風景」を意味します。

“ルミネ史上、最大規模のまちづくり”となるニュウマン高輪。そんな新たに生まれる街のBGMとして、斉藤さんは自然音が入り交じるサウンドスケープを選びました。

「ニュウマン高輪が見据える“100年先の未来”。このコンセプトにふさわしいBGMとして、人類が何千年もの間耳にしてきた自然音を使い、新たなサウンドスケープを作り上げるのがふさわしいと思いました。それもただ心地よい自然音ではなく、高輪という土地の歴史文化的文脈に根ざしたサウンドスケープを作りたかったのです」。

江戸時代、高輪は東海道の宿場である品川宿や、江戸の出入り口となっていた大木戸など人や物が通過、往来する要所でした。また埋め立てが進む以前の明治期には海上に高輪築堤(ちくてい)という石垣が作られ、国内初の鉄道も走りました。

京都から江戸まで続く東海道を往来した多くの人や物を表現するために、東海道沿いの各地を巡りながら自然音を収録。箱根の石畳、その側を流れる清流や里山に生きる鳥や虫、芦ノ湖の水面の音や美保松原の潮騒など、人の往来を通じて、高輪の歴史を紐解くようなサウンドスケープが生まれました。

空間・時間に広がるサウンドスケープ

自然や街の中を歩けば、サウンドスケープ=聞こえる音は少しずつ変化します。ニュウマン高輪のBGMもその場所ごとに変化し、さまざまなサウンドスケープと出会うことができます。

そして時間と季節の変化も重要だと斉藤さんは語ります。

「朝に録音した音は“朝の音”だと感覚的にわかると思います。自然音は、気温、湿度、陽の光や風、生物の動きなど、時間ごとに変化する多くの要素が絡み合い一つのサウンドスケープを形作るからです。だから朝に流れる音は必ず朝に録音した素材を使います。季節も同じ。夏に流れる音は夏に録音した素材を使うことで、より力強く高輪の歴史や文脈をつなぐサウンドスケープとなります」。

例えば1Fはかつて海に面していた名残を感じさせる水辺の音風景が表現されています。南棟3Fと4Fでは、東海道沿いの里山の音を使った豊かな自然が音として現れます。そしてこのサウンドスケープは、時間帯や季節に応じて少しずつその姿を変えていきます。

街とともに変化し続けるBGM

サウンドスケープには「基調音」と呼ばれる“その場をその場たらしめる音”が存在します。斉藤さんがデザインするのはニュウマン高輪の「基調音」だといいます。

「ニュウマン高輪のサウンドスケープは、僕がデザインする基調音だけでは完成しえない。訪れる人、働く人の声、テナントごとの店内BGMなどが混ざり合うことで、ニュウマン高輪だけのサウンドスケープが生まれます。それを僕も楽しみにしていますし、時代とともに少しずつ変化しながら、100年先も続くBGMとなれば嬉しいです」。

場所や時間を変えながらニュウマン高輪を歩いてみてください。そのときはぜひ周囲の音にも注意を向けながら。400年前の過去、そして100年先の未来にこの地で暮らす人々の営みの音が聞こえてくるかもしれません。

PREV
NEXT
“本とあそびがつくる、
大人と子どもの自由な空間
「こもれびら」”
(左から)
株式会社ひらく
株式会社ジャクエツ

ニュウマン高輪South 5Fのコンセプトフロア「こもれびら」は、本とあそびが融合した新しい体験型フロアです。書店「文喫」を運営する株式会社ひらくがフロア全体のプロデュースを手掛け、書店「BUNKITSU TOKYO」を中心に、“あそび環境をデザインする”株式会社ジャクエツがてがけた屋内PARKなど、つながりを生む「共遊空間」が生まれました。

木漏れ日揺れるみんなの「体験空間」

「木漏れ日たち」の意で付けられた「こもれびら」という名前。「その様子自体が街だと思っています。丸く、温かい木漏れ日が重なり合う光景が、一つの街や人の姿に重ねられる。自宅でも職場でも、サードプレイスでもない。ハレの日に来たくなるヴィラのような場所でもありたい」と説明するのはひらくの武田さん。

こもれびらの中心となるのは、文喫史上最大規模となる「BUNKITSU TOKYO」と、ジャクエツが手掛けるあそび空間「屋内PARK」です。武田さんは、このフロアの構想をこう語ります。「フロア全体を1つの街として捉えています。起点となる公園があって、人が集まれる場所があって、そこを自由に行き来できる大通りができて、小道ができて、人通りが多いところに商店ができる。そこにはいろんな人の営みがあって、子どももお母さんも、おじいちゃんおばあちゃんも来て、賑やかになっている様子を描きたい」。

ジャクエツの上野さんも同社の哲学になぞらえこう語る。「我々もあそびからまちづくりにアプローチするという考え方を大切にしています。あそびというのは暮らしに根付いているもの。すべての事業の始まりがあそびをキーワードに始まってくれるといい」。

書店×遊具が記憶に残る場所となる

BUNKITSU TOKYOは「文化を喫する、入場料のある本屋」として、文喫史上最大規模の1,000坪超となる空間に約10万冊の本を揃えます。新刊・話題書から、スタッフが1点1点丁寧に選んだ他ではなかなか出会えない一冊まで、“思いがけない本との出会い”が体験できるのが特徴です。全223席のカフェラウンジは高輪エリア最大級の規模を誇り、読書に没頭できる書斎スペースから、家族でゆったり過ごせる賑やかな喫茶スペースまで、多様な過ごし方に対応します。

特筆すべきは、書店内にジャクエツのあそび空間があることです。武田さんは「ジャクエツの遊具には、子どもたち自身があそび方を発見し、創造する余白がある。痛みも失敗も含めて自分で体験することが重要です」と語ります。書店の中にあそび空間があるという一見違和感のある光景が、これから当たり前になっていくのかもしれません。

上野さんは「あそびは制限されない、自由なものです。そんな自由な時間を子どもだけでなく大人も一緒に楽しみ、記憶に残るような場所になってほしい」と期待を込めます。ジャクエツが持つ全国の保育園・幼稚園での知見と、ひらくの書店運営のノウハウが融合することで、これまでにない体験が生まれようとしています。

100年先の書店を変える実験の場

武田さんは今回のプロジェクトを振り返り、「プロジェクトを共にしたジャクエツさん、そしてルミネさんのメンバーとは『社内よりも社内』のような一体感で、そして同じだけの熱量で場作りに取り組めました。こんなことはなかなかないと思います」と語ります。異業種の企業同士が、商業施設という枠を超えて一つのビジョンを共有できたことが、このプロジェクトの大きな特徴となりました。

「こもれびらをきっかけに、100年先の未来では本屋のあり方が変わっていくんじゃないかと僕も期待しています」と武田さん。上野さんも「100年先もチャレンジし続ける実験の場であり続けてほしい。常にそこにいる人たちがチャレンジしていて、ゲートウェイという言葉の通り、新しい扉が開く場所になれば」と期待を寄せます。

フロア全体を緩やかに結ぶ通路と、小さな公園を配置した空間設計の中で、本、遊具、そして人。たくさんのつながりが生まれる空間が、高輪の新たな文化拠点として幕を開けようとしています。

PREV
NEXT
“「自分が人間だと思い出す空間」
高輪に生まれるサウナと真の休息
―高輪SAUNAS”
(左から)
株式会社TOYOKE
SAUNAS総合プロデューサー

ニュウマン高輪内に現れた大型サウナ施設「高輪SAUNAS」。そんな高輪SAUNASの総合プロデューサーを務めるタナカカツキ氏は、「休息」について次のように語ります。

「ベッドで横になってスマホを触っていても本当に休めていない。本当に休めているというのは、楽しいことが思いついたり、明日に希望を持てたりする状態のことだと思うんです」。共同プロデュースのTOYOKE代表取締役の古屋蔵人氏もそれに続きます。「今はエンタメの多くが手のひらの中にある。だからこそ、体を使って感覚で遊ぶことに価値が生まれている。疲れているのは体じゃなくて脳です」。

サウナブームの仕掛け人が手がける

昨今のサウナブームの立役者として知られるタナカ氏。サウナに魅せられ、2009年にウェブマガジンでエッセイ「サ道」の連載を開始し、書籍化、漫画連載、ドラマ化などを通じて一大ブームへと発展していきまいた。

タナカ氏が古屋氏と共に2022年に渋谷にオープンした「渋谷SAUNAS」は、サウナを中心に据えた革新的な施設として話題を集めました。従来、サウナはおまけ的な存在でしたが、趣向を凝らした9つのサウナ室と、頭まで浸かれる水風呂、開放的な外気浴スペースを設け、多くのサウナ好きから愛される施設となりました。

9つのサウナ室に身を委ねる

高輪SAUNASの最大の特徴は、9つの異なるコンセプトのサウナ室と、そこで展開される「リトリート」と呼ばれるサウナプログラムです。タナカ氏は「今はサウナ室で『何が行われるか』が重要な時代に突入した」と語ります。

代表的なものに「スウェットロッジ」があります。ネイティブアメリカンの伝統的なサウナの概念を現代的に解釈し、床に車座になって瞑想のような体験ができる幻想的な空間です。床にはガラスの水盤が埋め込まれ、音にシンクロして波紋が現れる仕掛けも用意されています。

「ウィスキングルーム」では、白樺の葉束などを用いた施術を提供。通常のサウナ体験はそのすべてを自己コントロールしますが、ウィスキングではマイスターと呼ばれる熟練者にすべてを委ねます。その豊かさを体験してもらいたい」とタナカ氏は説明します。

さらにフロント部分にはアロマの抽出ルームも設置。高輪ゲートウェイシティの木材を活用してアロマオイルを抽出し、ロウリュで使用するという循環型の取り組みも行います。

人間らしさを取り戻す、新しい休息の形

タナカ氏が提唱する「休息」とは、単に体を休めることではありません。「現代人はソファでごろんとして携帯をいじることを休息だと思っているが、それでは脳の疲れは取れません」とタナカ氏。

高輪SAUNASでは、この課題を解決するために「だらだらしない」ことを徹底しているといいます。「社会システムからいったん距離をおいて、全裸になり、熟練のマスターの蒸気や香りを浴びて、汗だくになり、感覚の最大限を満たして元気になる」とタナカ氏。古屋氏も「人間を楽しんだり、自分が人間だということを思い出すような空間がこれから重要になる」と語ります。

フィンランドの研究では、週4回以上サウナに入る人と週1回の人では、20年後の成人病発症率に3倍の差があったというデータもあります。「積極的に歩いて汗をかくということを自分の人生のプランに入れてほしい。習慣化することで、年齢とともに健康を維持できる」とタナカ氏は呼びかけます。

PREV
NEXT