縁. en. presented by HERALBONY

縁. en. presented by HERALBONY
会期:2025年9月12日(金)~2025年12月25日(木)
場所:NEWoMan TAKANAWA LUFTBAUM 28F 月白の庵
時間:10:30~24:00 ※一部の開催日に限り、営業時間が変更となる可能性があります。
共催:株式会社ルミネ、株式会社ヘラルボニー
協力:株式会社JR東日本グリーンパートナーズ
イベントスペース「月白の庵」では、ニュウマン高輪の開業を記念し、「異彩を、 放て。」をミッションに、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニー「ヘラルボニー」と共に、くつろぎの場「縁. en. presented by HERALBONY」を期間限定で開催いたします。
ニュウマン高輪が掲げる理念は「100年先のまだ見ぬ生活価値をデザインする」。その思想のもと、多様な人々が集い、交わり、価値をともに育む場をつくりたいと考え、「多様な人々を分け隔てなく迎える場」として、日本の暮らしに根づく“縁側”をコンセプトに設えました。縁側は、内でも外でもない「あいだ」の空間。近所の人が語らったり、季節の移ろいを感じる中で、心に余白やくつろぎが生まれる場として機能してきました。境界をはっきりと分けないからこそ、人や出来事を柔らかくつなぎ、新しい縁が育まれる場ともいえます。
縁側が持つ日本独特の「あいまいさ」の中に身をゆだねながら、異彩を放つ作家のアートと出会う。
この空間が、「ほっと一息つける場所」にとどまらず、アートとの出会いを通して多様な人の存在に気づき、
誰かと、何かと、新しくつながる“縁”が、生まれていく場となることを願っています。
展示概要
一. 空間
イベントスペース「月白の庵」は、京都の古民家から出た古材を、伝統構法を受け継ぐ大工が古材組した櫓の空間です。空間の持つ力を活かしながら、日本文化とつながる材質やモチーフを配しました。縁側でくつろぐ感覚を、ぜひ体感ください。
二.空間を彩る五人の作家
本空間では、五人の異彩を放つ作家の作品を紹介しています。
それぞれの作家を通して見える世界の面白さや魅力をぜひご堪能ください。
fuco:
(佐賀県)
起用作品 「モリ、シカモウミ」
学校に行けず暇を持て余していた時期に、作家の母が「マルを描いて」と紙とペンを渡したのが創作のはじまり。マルというモチーフが彼女のなかでピタリとはまり熱中するようになる。マルを描き始めて5年になるが、近年はマル以外のモチーフも描くようになり、マル、サンカク、シカクのモチーフを大きなカンバスに日々飽きることなく描き続ける。コミュニケーションとして発する言葉はわずかだが、頭に浮かんだであろう言葉を繰り返し呟き、言葉と一緒に作品が生まれることもある。
中川 ももこ
(滋賀県 やまなみ工房)
起用作品 「まる」
彼女にとって同じ動きを繰り返し行う反復行為は、自身が安心し、楽しんで取り組める表現へと次第に移行していく。最初の頃は刺繍制作から始まり、徐々に興味は文字やスタンプ、シール貼りと多岐に渡るようになった。自身の名前「ももこ」や「まる」は文字や筆の音、手に伝わる感触を楽しむかのように何重にも繰り返し描かれたり、画用紙の端から端まで規則正しく紙いっぱいにスタンプを押したり、シールを貼られたりして埋め尽くすなど、彼女の思いは止むことなく、繰り返し続いていく。
福井 将宏
(鳥取県 アートスペースからふる)
起用作品 「マリーゴールド」
モチーフを見ながらアクリル絵具で描くというのが彼の制作スタイル。長年花をモチーフに描いており、近年は一つの花にこだわり何か月も同じ花を描き続けることがある。色や形を単純化して構成する画面の構成力も魅力である。太筆で描き進める作品は、愛らしく、見る人を優しい世界へ連れて行く。一方、マジックペンで大胆に表現されるオリジナルの「福井フォント」が使われた作品は凛然とした雰囲気を纏い、見るひとの目を惑わせる。
伊賀 敢男留
(東京都)
起用作品 「山と空と雲2」
2015年にアールブリュット立川に出展したことをきっかけに毎年作品を発表している。色鉛筆、パステル、絵の具と様々な画材を横断的に駆使するが、絵の具ではペインティングナイフを好んで使う。近年は抽象画に加えて具象画(静物画)を描くようになった。絵を描く傍ら20年間チェロを習っており、音楽を奏でる彼の真剣な眼差しが印象的である。会話は苦手だが好奇心が旺盛で、何事にも意欲的に取り組んでいる。
竹内 聖太郎
(宮城県 多夢多夢舎中山工房)
起用作品 「くじゃく」
1992年生まれ 仙台市在住。2011年多夢多夢舎在籍。いつも一番乗りで、多夢多夢舎の一日は、彼のあいさつから始まる。はじめは小さな丸を並べるだけだったが、サインペンを使うようになってから全体を観て余白を生かすようになった。絵の具、色鉛筆を駆使して、デザイン性の高いものを仕上げている。一度会った人の名前は(たまにしか)忘れない。
三. ヘラルボニーについて
「異彩を、 放て。」をミッションに、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニー。障害のある作家が描く2,000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを構築。自社ブランド「HERALBONY」の運営をはじめ、企業との共創やクリエイティブを通じた企画・プロデュース、社員研修プログラムを提供するほか、国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催など、アートを軸に多角的な事業を展開しています。2024年7月より海外初の子会社としてフランス・パリに「HERALBONY EUROPE」を設立。
四. 苔玉(紅葉・松)
空間内に点在する苔玉は、株式会社JR東日本グリーンパートナーズが制作したものです。
会期中、季節の移ろいに合わせて「紅葉」と「松」を展示いたします。
株式会社JR東日本グリーンパートナーズは、JR東日本における障がい者雇用の促進と長期的な雇用安定を図るために設立された特例子会社です。障がいの有無に関わらず、社員一人ひとりの個性が最大限に発揮され、いきいきと活躍できる職場づくりを目指し、制服管理事業、印刷サービス事業、販売事業などの複数の事業を展開。JR東日本グループの一員として、すべての人の心豊かな生活を実現するべく、全社員一丸となって様々な課題に取り組んでいます。